プレミアム付デジタル商品券事業にモヤモヤ最高潮なのでので言いたいことを言う回
議会で発言する時に、言いたいことを全部言えているわけではない。
昨日1月16日(木)、臨時会が開かれ、国から降りてきた7億円を使ったプレミアム付デジタル商品券事業の審議が行われた。私を入れて5名の議員が質疑をし、2名が反対討論、1名が賛成討論の後、(賛成:反対、27:5)の賛成多数で可決となった。プレミアム付デジタル商品券事業の審議の後はいつもモヤモヤが残る。
モヤモヤの気持ちをとりあえず横に置きつつ、プレミアム付デジタル商品券事業について説明する。
この事業、国から各自治体に交付される
物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金
を活用して全自治体が取り組むものとなっている(特別区は財源は都道府県から降りてくるそうです)。
内閣官房・内閣府総合サイトの説明によると
- ○予算額(国家予算)
令和5年度補正予算 | 1兆5,592億円 | |
---|---|---|
予備費 | 令和5年12月22日閣議決定 | 1兆1,311億円 |
令和6年度補正予算 | 1兆7,351億円 | |
合計 | 4兆4,254億円 |
とのことです。皆さんの血税がふんだんに投入されています。
物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(充填支援地方交付金)の説明はこうです
内閣府では、エネルギー・食料品価格の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の支援を通じた地方創生を図るため、「デフレ完全脱却のための総合経済対策(令和5年11月2日閣議決定)」への対応として、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施できるよう、令和5年11月に「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」(重点支援地方交付金)を創設
とのこと。
国からの推奨事業メニューは以下の通りで、いずれかに該当する地方単独事業に対して交付できるということです。
①エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う低所得世帯支援
②エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う子育て世帯支援
③消費下支え等を通じた生活者支援
④省エネ家電等への買い換え促進による生活者支援
⑤医療・介護・保育施設、学校施設、公衆浴場等に対する物価高騰対策支援
⑥農林水産業における物価高騰対策支援
⑦中小企業等に対するエネルギー価格高騰対策支援
⑧地域公共交通・物流や地域観光業等に対する支援
なお、各地方公共団体が、上記推奨事業メニュー例よりも更に効果がある と判断する地方単独事業も交付対象と認めてられている。
ちなみに豊中市が選択したのは②エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う子育て世帯支援。からのプレミアム付デジタル商品券事業です(子育て世帯支援としては子どもがいたら3000P付与される。ちなみに昨年度同事業実施時は子ども一人につき3000Pだった)。
まず、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が創設された趣旨は
地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施
とある。2度言う
地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施
、、、
どこが地域の実情?
40万人中11万人しかアプリ持ってへんよ?
どこがきめ細やか?!!
スマホ持っていない人は置き去り、雑!きめ荒い!
担当部局になぜプレミアム付デジタル商品券事業を選んだのか、を聞いたら「生活支援になる」し「市内消費喚起で事業者支援にもなる」し「事務手続きが簡単」だからスピード感をもって対応できるから「国から評価してもらえる」とかそんな話でした。微妙に趣旨から外れてないか?
豊中市議員の多くは「デジタルポイントは地域通貨なので、市内消費喚起になるので素晴らしい取り組みだ」と考えている。しかし私は実はそうは思っていない。そんな回くどいことをしなくても、
◯ヶ月分水道代基本料減免
とか
◯ヶ月分給食費無償化
とかだったら委託料もかからないわけで。
今は待ったなしの情勢ですよ。不景気、貧困拡大、どんどん悪くなってる。
そんな時に
アプリダウンロードする→申請手続き→申請が通過するのを待つこと数週間(情報不備で返ってきてやり直しなんてこともある)→やっとこさデジタルポイント購入しプレミアムポイント3000P獲得!こどもいたらプラス3000P!!ゼェゼェ、、
そもそもこれ↑に参加するには情報通でなくてはいけない。アンテナ張ってないといけない。私のようなADHDの人間には、難しいのではないかと思う。たまたま議員をやっているから、どうやって登録するとか、いつから申し込み開始、とかの情報を業務の一環で知ることができるのでかろうじて、私はキャッチアップできるわけです。
支援がお金だったりポイントだったり、、多岐にわたる支援からもれないために敏感でなくては、損をしてしまう!それそのものが間違っていると私は考えている。
市民の貴重な時間をそんなことに割くのは罪
と声を大にしていいいたい。そんなことより、支援からもれる心配なく心躍るような余暇の時間を過ごしたり、我が子に本を読んであげたり、しばらく連絡してない友人に連絡とってみたり、社会問題に目を向けてみたり、世界情勢について知ってみたり、エクササイズをしたり、英語やスペイン語習ってみたり、本を手に取ってみたり、何も考えずボーーっと過ごしたり、、
私にとってはアプリが一つ増えるだけでもストレスになります。ダウンロードしたとて存在を忘れ去ってしまう。
あ、忘れ去るで思い出しましたが、忘れてはいけないのがマチカネポイントは有効期限つきだということ。
しかもこのプレミアムポイントの有効期限は3ヶ月。短いです。
プレミアム付デジタルポイント事業、2年前まで住んでいたカナダではこのような事業は断じてやらないと断言できる(カナダだけではないだろう)。カナダ人の友人10人くらいに聞いたけど「行政はデジタルポイント事業はしない」と言っていた。カナダ人にとっては理解できない行政施策だろう。
日本の行政はもっと国際感覚を身につけて
日本は非常に状況が悪いんです。全然良くなっていないんだから、日本という乗り物の操縦士が進む方向性が間違っているということなんだから。カナダに10年住んで、思い知らされました。一言で説明はできないけど、一言で言わねばならないのであれば
目から鱗の日々でした。
日本に帰国して、あまりの酷さに、ため息の日々を過ごしています。特にこのデジタルポイントは愚策の極みだと思っている。豊中市ごめんなさい、応援できなくて。市の応援宣伝はK党の議員さんがいつもしっかりしてくれるし、、今回ここでは言いたいこと言わせていただきます。
市長の肝煎り事業だそうで。センスないな〜、、
生活応援の支給であれば、
現金、もしくは時限的な消費税の廃止
(カナダは元々生鮮食品などの生活必需品は消費税非課税だが)
支援は簡潔、すべての人が使いやすくが鉄則でしょう。回りくどく地域でしか消費できない仕組みにしてね。そんなことよりもしっかりしんどい世帯の生活底上げして、子育てしやすくして(豊中は子ども連れて行くところが少ない、職員の対応悪いなど諸々子育てしにくいと不評)、教育の質上げて(まずはできていない教員のウェルビーイングから)、子どもを真ん中にして(今は間違いなく端っこだから)、教育大事にして(大阪府の失敗事業の尻拭いに利用したりせんと、あ、万博校外学習事業のことです)、老後も暮らしやすくして、若者も活躍する街にしたら(いっぱいアイデア持ってます)、市民が一番使ってる公共施設である地域の図書館を守って(2つ廃止予定)自ずと市内消費喚起になります。頑張れる、情報通な人だけがもらえるポイントではなくて、上下水道基本料金減免だったらすべての市民が享受できる支援になる。こちらの方が心温まる。私はそう思う。心温まる施策でさむーい冷たーい日本社会を温めてほしい。ポイントとか、利益追求主義の民間の真似事やめて、、
事業者支援には別の支援の手立てを考えたらいい。補助金とか、家賃減免とか。悪くなっている今だからこそ、心こめて取り組んでほしい。支援と消費喚起で事業者応援、一石二鳥確実路線とかじゃなくて。
ましてやスマホ利用者だけ支給対象にするなんてもってのほか。
人権問題に関わるし、
行政として、
公平性を保てないような施策はしないことが原則
であるはず。
カナダに住んでいた感覚からして理解不能、だからどうしても賛成はできない。むしろこの事業が市民から評価されているとしたらよくない傾向だと思っている。
自治体が民間企業の真似してどうする?
いつも言っているが地方自治体には
「民間にはない公共の格式の高さ」
を維持してほしい。死守していただきたい。
あともう一個言いたいのが、担当部局が言っていた「デジタル化を推進するため」にこのデジタル商品券事業を実施する、にも異議あり!!!
日本は行政デジタル競争力が世界ランキングで31位まで落ち込んでいる。
その理由は、デジタルポイントとか言っているからだと私は確信している。
コロナ禍で海外諸国と日本政府の対応の差が浮き彫りになった。
収入が減った人、自営業者、バイトを失った学生、企業、福祉分野、困難女性、こども、子育て、先住民、様々なタイプの給付金支給が矢継ぎ早に発表され、発表の翌日から申請、申請から3日で振り込まれた給付金。見事な手捌きに感動すら覚えた。申請もオンラインで簡単、3分ほどでできた。カナダがはじめの給付金の申請受付を開始したのは3月15日、日本が給付金10万円を閣議決定、発表したのが4月20日だった。しかも一回ぽっきり、単発だった。カビやゴミがついているガーゼのマスクも配られた。
コロナ禍のカナダ政府の対応についての過去記事です↓
カナダのコロナ禍経済対策を一覧にしました
新宿区では同様のプレミアム付デジタル商品券を発行しているが、同時に紙の商品券を発行しているらしい。しかも
紙の商品券の方が人気なのですぐに売り切れるので発行数を増やした
らしい。新宿区の方がまだ温かい。市民が求める方向に寄り添っている。
市民は紙の商品券が好きだから、デジタル一本化で自分たちの思い描く方向へ市民を寄せようとする、この根性がナンセンス。ナンセンスでは世界からの評価には程遠い。
デジタル化の恩恵は、市民にとって
最大限の利便性や行政運営の透明性
にある。カナダではそうだった。
最もスピード感を持て、最も市民にとって支援になるのはいつの世も
現金だ。
少なくとも現時点で。
色々言いましたが以上の諸々の理由で、議会では言わないけど、担当部局にも言っていないけど、
そもそもデジタルポイントそのものに大反対
なんです。煩雑なものは無くしていくべき、それがデジタル時代。
最後まで読んでくださった方、私の心のモヤモヤの吐露にお付き合いありがとうございました。