2025年3月議会個人質疑②第3期豊中子育ち・子育て支援行動計画
〜市民への情報提供のあり方について〜
山田:第3期豊中市子育ち・子育て支援行動計画(素案)の発表にあたっては、パブリックコメントに必要な情報である計画の根拠となる子育ち・子育て支援に関するニーズ調査結果報告書、子どもの生活に関する実態調査結果報告書、ひとり親家庭等の自立促進のための計画策定に向けたアンケート調査報告書、子ども審議会議事録の一部が市のホームページに公開されていませんでした。第2期では公開されていましたが、今回公開しなかった理由を教えてください。
こども未来部:本計画の策定について諮問をしておりましたこども審議会等においては、ニーズ等調査の結果を資料として提出し、ご議論をいただき、現状と課題をとりまとめました。ニーズ等調査等を報告書としてとりまとめ、公表するにあたっては、データに付記する分析評価の文言等について計画との整合をとる必要があると考えたことから、調査結果報告書については計画策定と同時に市ホームページで公表をさせていただいたものです。
また、こども審議会議事録については作成に時間をようしたもので、今後は速やかに公表できるよう努めてまいります。
山田:豊中市子どもの生活に関する実態調査委託業務契約金額は、5,000,000円ということです。計画書との整合性をとるため年度当初からパブリックコメントに公表しない予定だったとのことですが、市民の税金を使った調査結果をパブリックコメントをお願いする立場から市民に提供しなくてよいのでしょうか?よいと思うかどうか、お答えください。
また、計画書素案にとって重要なデータである3つの調査報告書、審議会/議事録を公表せずに素案をパブリックコメントに出されたことについて、豊中市意見公募手続に関する条例第1条の目的に照らして、市は、市民自治をどのように考えているのでしょうか?
市の見解をお聞かせください。
こども未来部:パブリックコメント時の公表資料については、市民のみなさまに施策の背景をより理解いただくことが望ましいとの観点から、今後は計画素案とあわせて報告書を公表いたします。
次に、本計画の検討にあたっては、自治基本条例の基本原則である「情報共有」「参画」「協働に」基づき、市民や保護者、市民団体の代表者等が参画する子ども審議会で、部会も含めて15回にわたって公開審議を行いました。加えて、こどもや保護者、支援者等への意見聴取や対話の機会として45会のヒアリング等を行いました。その後、こども審議会からの答申、意見公募手続きに関する条例に側したパブリックコメントを経て、策定したものです。
山田:意見要望です。意見公募手続きに関する条例第1条の目的には、計画等の形成過程における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について,その内容及び過程が市民にとって明らかであること。)の向上をはかることとあります。計画の素案とその根拠となる資料を示してこそ透明性が向上できる訳です。今後はしっかりと、公正公平、そして透明性が担保された市政運営をよろしくお願いいたします。
〜はぐくみセンター及び児童相談所の人材確保、育成について〜
山田:児童相談所一時保護施設の職員は資格を有した職員でしょうか。臨時/児童支援員を15名募集されていますが、常勤職員も含めて人材確保は間に合うのでしょうか。
こども未来部:一時保護施設には、国が定める基準を満たす保育士や社会
福祉士等の資格を有する常勤職員を配置してまいります。
臨時会計年度任用職員は、常勤職員の補助的な業務を行う
ため配置する予定であり、現在までに募集定員以上の申し込
みを受け付け、採用手続きを進めております。常勤職員に加
え、24 時間交代勤務で少人数ユニット制の施設運営にあたる
ための必要人員について、4月の開設に間に合うよう確保を
進めています。
山田:かねてから要望をしているCAPの研修ですが、はぐくみセンターや児童相談所職員向けの教職員ワークショップがあります。職員にとって子どもの見方が変わるきっかけにもなりますし、子どもにとっては子どもの話をちゃんと聞いてくれる大人もいるというメッセージを伝えることができます。「安心」「自信」「自由」という子どもが当たり前に保障されている権利の概念を少しずつ広げていくことで、子どもの権利擁護を地域に根付かせていくことができます。研修にCAPの導入をしていただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。
こども未来部:こどもが自身の権利について考えられるようになること
や意見表明ができるようになることはもちろんのこと、こ
どもを支援するはぐくみセンターや児童相談所職員等が、
こどもの権利を理解し学び続けることも重要だと認識し
ています。
このため、児童相談所職員等に対し、社会的養護におけ
る権利擁護や豊中市子ども健やか育み条例の理念への理
解を深める研修などのほか、CAP プログラム等も含め、こ
どもの人権に関する研修の充実について検討してまいります。
(趣旨)「要保護児童対策地域協議会の位置付けについて」
1問目
(要保護児童に関する情報の交換や支援を行うための協議の場である要保護児童対策地域協議会は各組織の専門性を持ち合わせたスペシャリスト集団です。)要保護児童対策地域協議会はワンチームとして支援していくことが必要ですが、はぐくみセンターと児童相談所を中心とした包括支援体制の中での要保護児童対策地域協議会の位置付けについて教えてください。
(答弁案)
○要保護児童対策地域協議会は、児童福祉法に規定されており、本市にお
いては「豊中市子どもを守る地域ネットワーク」として、要保護児童等
の包括的支援体制に位置付けております。児童福祉、保健医療、教育、
警察等の関係機関、ならびに民生・児童委員をはじめとする地域で子ど
もの福祉と健康に係る活動を行っている民間団体と連携した虐待防止
の取組を進めております。
本市児童相談所開設以降におきましては、はぐくみセンターと児童
相談所の緊密な連携により、リスクの変化に的確に対応するケースマ
ネジメントのもと、子どもの居場所を運営する民間団体などをネット
ワークに新たに加えるとともに、連携を深め、地域に根差した包括的な
支援体制を強化してまいります。
(趣旨)ケアリーバーへの支援について
どういう取り組みがありますか?今後の展開についてもお聞かせください。
(答弁案)
・児童養護施設や里親など社会的養護を経験したケアリーバーにおいて
は、自立する上で家族などの支えがないことなどが原因で困難に直面
する人も少なくありません。
・本市においてもこれまで大阪府において取り組まれてきた、社会的養
護自立支援拠点事業を実施し、ケアリーバーを対象とした相互交流の
場の提供、生活や就労等に関する情報提供、相談支援や助言、関係機関
との連絡調整などに取り組んでまいります。
・このほか、児童養護施設や里親のほか、若者や生活困窮などの相談支援
を行う関係機関とも連携し、ケアリーバーの実情を把握しながら生活
や就労等、自立に必要な支援につなぎます。
・今後は、課題を抱えるケアリーバーが支援を受けながら自立をめざし
生活するための施設である自立援助ホームの整備についても検討して
いきます。
(意見):ケアリーバーの自立援助ホームの整備についても検討されていらっしゃるとのことで、大いに期待いたします。是非里親の方々と連携を図りながら取り組んでいただけたらと思います。
(趣旨)地域における子どもの居場所について
1問目
豊中市子育ち・子育て支援に関するニーズ等調査結果報告書の中で、保護者が子どもの遊び場について感じることとして、雨の日に遊ぶ場所がない、が就学前で67.5%、小学生で56.1%でした。豊中こども財団や私立幼稚園連合会から毎年児童館の整備の要望があると思います。児童館設置に取り組まれない理由を教えてください。
(答弁)
・児童館については、児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、施設基
準や人員配置等の要件を満たす必要があるため、設置は容易ではない
ものの、児童館的な機能を有する、子どもの居場所を充実させるなど、
環境整備に努めてまいりました。
・また、子どもの遊び場に関しては、誰もが気軽に利用できるよう、アク
セスしやすい身近な地域での展開が重要であると認識しています。
・こうした課題を踏まえ、本市では、子育て支援センターほっぺのほか、
小学校区ごとに、「マイ子育てひろば」や、子ども食堂や学習支援など
の「子どもの居場所」の設置をめざし、遊び場としての機能にとどまら
ず、ネットワーク化による相談支援体制の構築を進めております。
・さらに、学校や公共施設、地域団体等と連携しながら、身近な地域で誰
もが気軽に利用できる環境の整備を推進しているところです。
2問目
- 豊中市は子育てしやすさNO.1をうたっておられるのですし、人口規模も考えたら1,000 m2程度の中規模以上の児童館が必要だと考えます。
国が 2024 年にこども・子育て政策の強化に係る地方財源として
「こども・子育て支援事業債」という新しい地方債を創設し、地方公
共団体のハード事業に 500 億円を計上しました。2025 年度予算にも引き
続き同額を計上していて地方公共団体の子育て政策を後押ししてい
ます。こういった国の補助の活用について、どのように考えておられますでしょうか?
以上で私の質問を終わります。
(答弁)
・1,000 m2程度の児童館の設置は、建設コストだけでなく、運営コストの
面でも課題があり、総合的な公共施設マネジメントの観点からも慎重
な判断が求められます。
・このため、市といたしましては、公民連携のもと、地域に身近で利用
者に寄り添いやすい規模の児童館的機能を持つ多様な居場所の充実に
取り組んでおります。