6月議会質疑①「豊中市における障害児の小学校、中学校の水泳授業について」
(6月議会一般質問質疑)豊中市における障害児の小学校、中学校の水泳授業について
(山田)
豊中市の学校教育において、水泳授業はどのように位置づけられているのでしょうか?
豊中市は2024年度より一部の小学校について、民間プール施設に対して水泳授業支援事業業務委託を始めましたが、その背景、目的、費用、そして実施中の小学校はどこで、どの施設を利用しているのかお答えください。
(教育委員会事務局理事)
・水泳授業については、小学校では、体育科における水泳運動系の運動領域として、また中学校では、保健体育科における体育分野の「水泳」の領域として位置付けられます。
・学習指導要領では、適切な水泳場の確保が困難な場合には指導内容として取り扱わないことができるとされておりますが、本市に老いては学校及び民間のプール施設の設備が整っているため全校で実施をしております。
・学校プール施設での水泳授業につきましては、昨今の猛暑日の増加による熱中症のリスクの増加や、天候不順で水温が低く実施できない場合があるなど、従前と比較して、環境上の不安定要素が増してきており、当初計画どおりに水泳授業を行うことが年々困難になってきております。
・おそのような状況において、安定した水泳授業実施のため、天候等に左右されない学習環境を確保すると共に、老朽化が進む学校プール施設の維持管理経費の削減等を目的として、水泳授業支援事業業務委託を実施しております。
・令和6年度予算においては10,032千円を計上しております。
・今年度は、克明小学校が「スポーツクラブ&スパ ルネサンス豊中」を、豊島北小学校が「履正スイミングクラブ曽根」を利用して実施しております。
(山田)
維持管理経費削減や天候等に左右されない学習環境を確保する目的とのことでした。
それでは次の質問です。2023年に創設された庄内さくら学園小中学校のプールは屋上に設置されましたが、天候上の不安要素はどのようにとらえておられるのでしょうか? さらに、これから建設されるよつば学園の計画図によると、屋外プールが設置されるよう
ですが、これは屋内プールにするべきではないでしょうか?お考えをお聞かせください。
(教育委員会事務局理事)
・庄内よつば学園については、設計時に民間委託を検討しましたが、移動可能距離及び時間内等の近隣に委託可能な民間プール施設がないことから、校内にプール施設を設置するに至ったところでございます。
・当該校につきましては、水泳授業支援事業業務委託を行っていない学校と同様に、引き続き熱中症対策等を講じながら、校内での水泳授業を実施してまいります。
(山田)
豊中市障害児教育基本方針に「一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズ等に応じ、教育の公正な機会を保障するための合理的配慮の充実に務める」とありますが、この合理的配慮とはどのような配慮なのか、お答えください。
また、豊中市の水泳授業においてはどのような合理的配慮が行われているのか、具体的な例を示しながらお答えください
(教育委員会事務局理事)
・合理的配慮は、障害のある子どもが、障害のない子どもと同等の機会を得るために必要な変更・調整であり、その内容は、子どもの状態によって様々ですが、教職員・支援員等の配置や施設・設備の整備、柔軟な教育課程の編成や教材の作成などでございます。
・水泳授業においての合理的配慮には、障害児介助員や支援学級担任等による移動・着替えなどの生活介助や、浮き輪の装着補助、プールに入る際の支えや付き添い、簡易プールでの個別指導などがあります。
(山田)
豊中市の水泳授業における障害児の参加状況をお示しください。
(教育委員会事務局理事)
・安全面の確保が困難などの理由から、プールへの入水が難しい場合は児童生徒の状況に応じて、特別なカリキュラムを定時し、本人・保護者の同意の上で実施しています。
(山田)
水泳授業に参加できていない障害児は存在するが、全て本人の同意の上だとのことでした。
先日二日に亘って、障害のある児童・生徒の保護者とご本人と豊中市の水泳授業支援事業業務委託先、または委託先として検討中の市内6か所の民間スイミングプールの見学に行ってきました。資料は写真の提供を許可いただいた2施設のものです。プールまでのアクセスが階段しかない施設もあり、インクルーシブ教育の観点からは、どう考えても委託できる状態ではない施設もありました。中には緊急時に利用する非常口が螺旋階段の施設もあります。4月から水泳授業支援事業業務委託が始まっている2施設に関して、移動に配慮が必要な児童・生徒の動線の状況がどうなっているのか、スポーツクラブ&スパルネサンス豊中、履正スイミングクラブ曽根それぞれお答えください。合わせて民間委託が始まった二校についてですが、現在移動に配慮が必要な児童がいないとのことです。この事実が考慮され決定されたのか、そうでないのかを、お答えください。
また、今後も誰一人取り残さない教育を実施していかれることをお約束していただけますか?それについてもお答えください。
(教育委員会事務局理事)
・「スポーツクラブ&スパ ルネサンス豊中」については、一般利用者用エレベーターを使用し、そのままプールサイドまで移動することとなります。
「履正スイミングクラブ曽根」は、入館スロープを利用し、「直接プールサイドまで移動いたします。
・なお、民間プール施設を活用した水泳授業の実施に当たりましては、移動・着替えなどの生活介助や、プールに入る際の支えや付き添いなど、必要な支援を行うこととしておりましたが、今年度の当該2校につきましては、移動に際して配慮が必要な児童は在籍しておりませんでした。
・また、委託する事業者については、施設面をはじめ、受け入れ規模や受け入れ体制等について事前に検討し選定を行っております。
・実施にあたりましても、教育委員会と学校、事業者の三者間で調整を行い、教員と民間指導者による指導・安全管理体制を構築しているところでございます。
・教育委員会といたしましては、今後も引き続き支援が必要な児童を含めたすべての児童が安心安全に水泳授業に参加できるよう取り組んでまいります。
(山田)
履正スイミングスクールの動線について補足をさせていただきます。
まず正面にスロープらしきものはあるのですが、なぜか最後途切れており大きな段差が一段あり、その後は階段のみの構造で、車椅子利用者は建物にアクセスできません。その代わり非常口が正面の壁にあり、床から60cmほどの高さはあるものの、大人、数人がかつげばなんとか車椅子と障害児がプールサイドにアクセスできる、といった状況です。
ご答弁では、全ての児童が安心安全に水泳授業に参加できるよう取り組んでいただけるとのことでしたが、特に履正スイミングクラブ曽根につきましてはこれだけバリアがある施設で全ての児童・生徒を受け入れるのは非常に困難かと思われますが、合理的配慮のもと、水泳授業を希望する全ての児童・生徒が参加できることを強く要望しておきます。
豊中市学校施設長寿命化計画の個別施設計画によると、2025〜2030年の間に小学校9校、中学校6校、計15校のプール改修が計画されています。この15校については水泳授業の民間委託はないという理解でよろしいのでしょうか?
もしくはこの計画についても今後変更になる可能性があるということでしょうか?そのあたりもふまえて、小中学校の水泳授業の今後の計画をお聞かせください。
(教育委員会事務局理事)
・プール施設については、安全安心にプール授業を受けることができるよう同施設の環境の維持に務める必要があるため、プール槽・ろ過設備の改善を行うもので、水泳授業支援事業業務委託の対象校から除外するものではありません。
・今後の計画につきましては、今年度の実施校における成果と課題を検証し、市内各校や周辺施設の状況等も鑑みながら、引き続き検討してまいります。
(山田)
最後の質問です。
今後も豊中市の水泳授業全校実施は継続されると考えてよろしいでしょうか?
(教育委員会事務局理事)・今後も、本市においては学校及び民間のプール施設の設備を活用して水泳授業を実施してまいります。
(山田)
今後プール施設が閉鎖になる可能性は否定できないかもしれませんが、
水泳授業は実施して行かれる、とのことで安心しました。
8問目は意見要望です。今後の市内小中学校の水泳授業の計画について透明性を持って市民に周知いただくよう強く要望します。
ご答弁の中で、支援が必要な児童・生徒を含めた全てのこどもが安心安全に水泳授業に参加できるようこれからも取り組んでいただけるとのことでしたが、私の元に、合理的配慮がなされる以前に、「学校側から水泳授業は受けることができない」と言われたことがあるという障害児の保護者の声が届いています。
改めて、全小中学校に「合理的配慮のもと、誰1人取り残さない水泳授業含む全ての授業実施の周知」を行っていただくよう強く要望し、私の質問を終わります。