9月議会質疑①「万博校外学習について」
こんにちは!2024年度9月議会個人質問が終わりましたので、報告させていただきます。
まずは「万博校外学習」という主題で質問を行いました。
豊中は学校単位で児童を大阪・関西万博に招待しています。しかし、メタンガス爆発が起こるなど万博の会場は危険性が高い場所です。学校で働く先生方からもさまざまな声が届いてます。そのような先生方の意見にも耳を傾けてほしいと思い、さまざまな質問をいたしました。
ぜひご照覧ください!
(9月議会一般質問質疑)万博校外学習について
(山田)
大阪府の事業で2025年度に豊中市内の小中学校が学校単位で万博に招待されています。万博の会場はゴミの埋立地である夢洲にありますが、今年3月にメタンガスの爆発事故がありました。万博協会が8月に公開した資料によると、6月にも基準値超えのメタンガスが検出されているということです。メタンガスが検出されるエリアでは飲食店に火を使わせないということです。いくらガスを抜く対策を打ったとしても火を使うと爆発の危険性がある会場は校外学習に不適切です。メタンガスだけではありません。一酸化炭素、硫化水素等様々有毒ガスが発生しているのに加え、完成まで下見ができない、府内の学校が一斉に参加するのでバスの確保が難しい、確保できたとしても高額、バスが確保できない場合の交通手段として電車を乗り継ぐが梅田を経由しなければいけない、8月には暑さで此花大橋のアスファルトが波うち、アスファルトを剥がして貼り替えるという事態になったということです。それほどの暑さだということで、熱中症が心配されます。あまりに多くの課題を抱えています。
豊中市内の小中学校の多くの教員、管理職、保護者の皆さんが不安を覚えておられる状況だと聞き及びます。子どものことを大事に思っておられるからこそ、不安に思う気持ちは当然だと言えます。
1問目 どれくらいの学校から問い合わせがありますか?「校外学習に参加したくない場合はどうすればいいのか」「参加しない選択肢はあるのか?」という問い合わせはありましたか?その場合なんと返事をされましたか?
(教育委員会)
・学校からはこれまで、おもに交通手段や交通費、参加の判断にかかる質問や意見を、校長を通じて約20件受けております。
・各学校からの参加の判断にかかる質問には、教育委員会としましては、大阪・関西万博に行くことにより未来社会を体験できる等、児童生徒への教育的意義があると考えていること、また、家庭環境に関わらず来場の機会を提供するという大阪府教育庁の無料招待事業の趣旨を踏まえて、各校において参加を検討すること等を助言しております。
(山田)
参加の判断にかかる質問や意見が、やはりあったのですね。それに対して懸命に説得しておられるのですね。懸念がのこります。
2問目 教育委員会として現場の声をどれくらい把握しておられるのでしょうか?豊中市内の全小中学校教員を対象に匿名のアンケートを実施したらいかがでしょうか?
また、私は現場に下見に行きました。舞洲に車を止め、会場まで40分ほど歩き、色々現場で感じることがありました。教育委員会から、視察に行かれるのでしょうか?お答えください。
(教育委員会)
教育委員会としましては、法令により校外学習等を含む学校教育活動の実施判断は校長が行うものであることと、学校としての意見等は校長からの問い合せを通じて聞いていることから、改めて市内の全学校教職員対象のアンケートを実施する予定はございません。引き続き学校からの問い合わせには真摯に対応し、学校からの意見の把握に努めてまいります。
・また、本年7月10日には大阪府教育庁による市町村教育委員会に向けた2025年大阪・関西万博にかかる説明会と会場視察があり、本市教育長も参加し、教育委員会事務局内で共有いたしました。あわせて、9月4日の校長会議においても、会場の状況等を情報共有いたしました。
(山田)
現場の声は校長からの集約とのことですが、引率する先生から直接匿名のものでなければ本音は聞けません。万博の校外学習は現場の先生方にとって不安だらけで、非常に負担だと思います。子どもに日々向き合ってくださっている先生方の意見を聞いていただきたいんですよ。是非匿名のアンケートをとっていただきたい。匿名アンケートをとるように全ての学校に促していただくよう教育委員会に強く要望します。
3問目 万博校外学習を決めかねている学校、もしくは「参加しないという選択肢はあるのか」という学校からの問い合わせに対して、教育委員会が「万博で校外学習を行わないのであれば、保護者に説明するように」と求めるようなことはありますか?お答えください。
(教育委員会)
・万博への参加にかかわって、教育委員会から学校に対して、保護者への説明を求めるこ
とはございません。
・ただし、保護者への説明に関して学校から相談があった場合には、適切に助言してまいり
ます。
(山田)
保護者への説明を求めることはないんですね?確認いたしました。
4問目 万博協会が説明する「来場に当たっての基本情報」の「下見について」に、下見後に、団体の入場を取り消した場合、当該団体にたいし、一日券の価格に下見人数を乗じた金額を請求するとあります。教育委員会は抗議するべきではないでしょうか?
(教育委員会)
・下見後に団体の入場を取り消した場合の下見代金金額の請求については、現在大阪府
教育庁を通じて2025年日本国際博覧会協会に詳細を確認中でございます。
(山田)
抗議すべきではないかという問いにお答えいただけませんでしたが、あまりにもひど
い規約です。抗議すべきだと申し上げておきます。
5問目 パビリオンが選べないことについて、学習計画を立てることができず、教育的効果が低いと言わざるを得ません。では何のためにいくのでしょうか。危険だというデメリットがあるところに、ましてや教育的効果がないところに行かせるのが教育なのでしょうか?
(教育委員会)
・来場するパビリオンの事前の割り当てについては、10月以降に決定され、予約不要のパビリオンは自由に見学することができると聞いております。
・今後さらにパビリオンに関する詳細な情報が示される予定であることからも、来場までに学習計画を立てる期間は十分にあると考えます。
(山田)
校外学習は本来先生方が児童生徒一人ひとりの顔を思い浮かべながら、計画するものです。パビリオンの選定すらできないのは先生方の意欲を削ぐことに繋がります。
ここからは意見・要望です。今回の万博校外学習が本当に子どものためにあるとは到底思えないのです。
権利主体の観点から考えていただきたいのですが、子どもたちが真に自分たちのためになる教育を受けることができるかは、先生方の働きやすさに大きく左右されるのではないでしょうか?
万博校外学習は、アクセス上の大きな負担、会場内の「あまた」の危険から子どもたちの命を守る重い責任、テーマを選べないパビリオンの割り当てなどなど、理不尽な負担を先生方に押し付けることになっていると言わざるをえません。
子どもたちの安全と学習権を守る観点から、今一度、万博校外学習が適切かどうか、考え直していただきたいと強く要望し、この質問を終わります。