健康医療部編〜2024年度市民福祉常任委員会決算委員会
国民健康保険
山田:大阪府では今、国民健康保険料の際限なき高騰が起きています。昨年度までの激変緩和期間が終わり、大阪府統一国民健康保険料は全国一高くなってしまいまいした。豊中市も例に漏れず、国保料がひとり当たり8449円の値上がりとなりました。豊中市は昨年度まで独自公費を独自に繰入てきましたが、今年度からの統一化で、この独自繰入、激変緩和措置が行えなくなりました。すなわち、統一保険料にしていない場合は、「標準保険料率」がだされても、市町村自らが試算し、納付金が支払える範囲で保険料を賦課するので調整ができていました。国民健康保険被保険者にとっては大打撃です。
大阪府が国保料を統一したことに対する市の見解を教えてください。メリットがあればそれについても教えてください。
豊中市:国⺠健康保険制度は、被保険者の年齢が高く医療費水準が高いなど財政が不安定になりやすいという構造的な問題を抱えていることから、安定的かつ持続可能な制度とするよう、平成30年度から財政運営を都道府県単位とする広域化が図られました。これを受けて、大阪府及び府内市町村では、被保険者間の受益と負担の公平性を確保するとともに、「大阪府で一つの国保」として保険財政の規模を大きくすることにより、予期せぬ医療費増加などの財政リスクを軽減し、安定した財政運営を図ることを目的として、令和6年度に保険料水準を完全統一するに至りました。こうしたことによって、国⺠健康保険制度が維持され、被保険者の方が、これからも安心して必要な医療を受けることができるという観点から、大阪府及び府内市町村が早期に広域化を達成することとしたものです。
山田:安心して医療を受ける以前に、この国保料が家計を圧迫して安心した生活が送れなくなっている、と言う話なんです。本末転倒とはこのことです。
2問目です。豊中市の国民保険料被保険者全体の世帯数の中で、、所得がゼロの世帯数とその割合を教えてください。
豊中市: 令和6年 5 月末で国保の延べ世帯数は 57,810 世帯であり、そのうち所得がゼロの世
帯数は 15,053 世帯で、割合は 26.04%です。
山田:際限なき高騰が続く国保料の被保険者の約26%が所得ゼロだと言うことです。国保の構造そのものが非常にいびつになってきていると言うことがわかりました。
3問目です。この国保料が高すぎるという事態に対する豊中市の受け止めと見解をお聞かせください。
豊中市:令和6年度の保険料率統一以降は、市町村独自の激変緩和措置が行えないことから、統一保険料率をいかに抑制していくかが重要な課題となります。一方、医療の高度化等による一人あたり医療費の上昇傾向に伴い、保険給付費も増加しています。また、保険料を負担する被保険者数の減少や後期高齢者支援金等の大幅な負担増などの要因もあり、毎年度、保険料率は大幅な上昇を続けています。これらに対して、大阪府及び府内市町村は協力して、府内統一保険料の抑制・平準化のために構築した財政調整事業により、被保険者の負担軽減及び令和6年度の保険料完全統一後の国⺠健康保険の安定的な財政運営の確保を図っています。また、保険料率を統一したことなどによる被保険者の負担の増加に対しては、被保険者の負担が軽減されるよう、さらなる財政措置を引き続き国へ要望しています。
山田:意見要望です。以前暮らしていたカナダでの話ですが、医療の高度化は日本と同じように、むしろ多くの医療分野で日本以上に先進的だと言えますが、医療は無料でした。ですので医療の高度化を理由にした国保料の高騰にはいそうですか、と簡単に納得できないんです。日本政府は一体どのような財政運営をしているのか?と考えるわけです。日本の経済成長は過去30年間とどこっており、一方医療ケアシステムが手厚いカナダは経済成長を続けています。やはり人々の暮らしにお金をかけることが経済成長の鍵と考えるのです。
大阪府にしても、基金の大幅積み上げを目論んだ「財政の安定化」(=赤字の解消=大幅黒字がでる国保会計=基金の大幅積み上げ)を実現するための事業費納付金計算をしているのではないでしょうか。その結果、統一保険料に早く合わせている市町村に大きな黒字がうまれ、次年度繰越ができないために基金が大きく膨れ上がっているのは事実です。一方で国民の6割の生活が苦しい現実が、厚労省の2023年基礎生活調査の結果で明らかになっています。
私のもとに寄せられた声をご紹介します。40代女性、お子さんは小学生です。「今年度の国保料があまりに高くて、仕事量を減らして扶養に入った方がいいくらいです。頑張っても手取りにならないので、働く意欲がなくなりました。夫の扶養に入ると言う選択肢しか残されていないです。」これは女性の社会参画に関わる問題でもあるということです。フリーランスの仕事をする子育て中の女性の前に、国保料の高騰という新たなる壁が立ちはだかったわけです。大阪府の国保料を統一化したことでの市民生活への弊害は甚大です。低所得者が多い国民保険の被保険者の負担が軽減されるよう国への要望とともに広域化調整会議(大阪府下)でも意見を続けていただくよう要望します。人々が暮らしやすい、そして働きたいと願う人が働きやすいまちづくりにも大きく関わりますのでよろしくお願いします。この質問を終わります。