2025年6月議会個人質疑①学校警備員の健康管理
山田:れいわ新選組は基本政策において、働く人を徹底的に守る、とし、労働法全般において、使用者側の雇用責任を明確に求める法制を拡充・創設し、罰則規定の明文化をはかる、との労働政策を掲げております。
「一億総活躍」そう言われれば聞こえはいいかもしれませんが、70歳を過ぎてもハローワークに並ぶ。もはや「悠々自適の老後」はなくなった、死ぬまで働かなければ生きていけないという意味の、「老後レス社会」という言葉があります。警備業 高齢者雇用推進 ガイドラインによると、警備業界は他の産業に比べて高齢者の雇用割合が高い傾向にあります。警備業務は立ち仕事が中心となるため、体力的な負担が課題となる場合があり、体調管理がとても重要です。
本日は日頃から本市の小学生たちの安全を守る役割を担ってくださっている、学校警備員の健康管理について伺います。
1問目です。市立小学校の有人警備は、包括施設管理業務の対象業務として実施されているとのことですが、警備会社と市との関係はどのようになっているのでしょうか?
財務部:包括施設管理業務の受託事業者が市の作成した仕様に基づき、協力会社である警備会社と契約をしております。
山田:受託事業者が協力会社である警備会社と契約する再委託、ということで理解いたしました。
2問目
受託事業者は学校警備業務中に生じた事案の報告義務があろうかと思いますが、市の発注責任について市の見解をお聞かせください。
(答弁)
業務中に事故などの事案が発生した場合には、協力会社である警備会社から受託事業者へ報告があり、資産管理課及び学校施設管理課に連絡が入ることになっております。
事故などが発生した場合の市の発注責任については、現場の状況を把握し、適切に業務が履行されるよう、受託事業者及び協力会社と連携していく必要があると考えております。
3問目
今月6月1日の朝日新聞の記事によると、2024年に職場の熱中症で4日以上の休業などとなった死傷者は1257人の過去最多だったそうです。うち死者は31人で3年連続で30人以上だったそうです。過去4年の死亡者で見ると、97%が初期症状の放置や対応に遅れがあり、7割が屋外作業で熱中症になっていた、とのことです。
こうした事態から、厚労省は労働安全衛生規則の改正に基づき、2025年6月1日から、職場での熱中症対策を罰則付きで義務化しています。大阪労働局管内でも、熱中症による労働災害が多発している状況を踏まえ、熱中症対策を強化しているとのことです。この熱中症対策義務化の概要と、今後豊中市内の小学校警備業務を担う警備会社の対応が、この改正によって今までとどう変わったのか、教えてください。
(答弁)
・労働安全衛生規則の一部改正により、熱中症の重篤化を防止するための「体制の整備」「手順作成」「関係者への周知」などが、事業者に義務づけられました。
・規則の改正に伴い、体制の整備を行うとともに、新たな熱中症マニュアルの作成や、暑さ指数(WBGT)に応じた注意事項を追加するなど、各事業者が熱中症対策の強化を実施しており、その内容を従事者へ周知していると聞いております。市として適切な対応がされていると考えております。
新たに熱中症マニュアルが作成され各事業所が熱中症対策強化に取り組まれているとのことで了解いたしました。
どうしても気になるんですが、暑さ指数が高い日に、警備員さんがおられるボックス内の温度を測定いただけないでしょうか?また、警備会社の熱中対策の一部が熱中症飴の配布や、ファンがついている空調服配布であると聞き及んでおりますが、不十分な気がいたしますので、警備ボックスにクーラーを設置するなど、市の方で対応できないのか検討も合わせてお願いしておきます。子どもたちはとても心配していると思いますので、これらを要望しておきます。
4問目
小学校警備業務における委託仕様書を見せていただきましたが、「労働安全衛生に常に配慮する」との書きぶりはあるものの、法令遵守とありません。
より踏み込んで労働安全衛生法を遵守するという姿勢を文言の中に入れるべきではないでしょうか。
もっと言えば労働基準法、最低賃金法、その他労働者に対する関係法令の順守も明記するべきだと思いますが、教育委員会の見解をお聞かせください。
教育委員会:仕様書には関係法令遵守の記載はありませんが、契約書には関係法令を順守する旨の記載はあります。
法令遵守は大前提となる認識ですが、他の契約も参考にする中で、仕様書への記載について検討していきます。
山田:契約書には関係法令を順守するとの明記があるとのことで、契約時にしっかり考えていただいていたということで、安堵いたしました。そして仕様書への記載についてもご検討いただけるとの答弁、ありがとうございます。
警備員のみなさんが学校の門に立ってくださっているからこそ、子どもたち、教員のみなさん、そして保護者が安心して過ごせます。警備員のみなさんの健康安全が守られる労働環境を今後も維持、そして課題があれば随時改善いただくよう要望し、この質問を終わります。